日本の根強い野球人気の理由

日本の根強い野球人気の理由

◇一つの文化として定着している

日本で野球が根強い人気を保ち続けている理由の一つ目に挙げられるのが、単なるスポーツという枠組みを超えて、一つの文化として定着していることです。例えば、夏が来れば高校野球のシーズンになったと多くの人が認識したり、プロの有名球団の地元では、その球団が優勝した時に多くのお店がセールを開催したり、プロ球団のユニフォームが一般の人たちの間でファッションとして受け入れられたりといったようにです。また、他のスポーツにおいては、それを愛好する人たちの間ではその中で使用されるルールや関連用語が知られていても、それ以外の人たちには何のことか分からない場合はよくあります。しかし、野球のルールは幅広い世代の人たちに知れ渡っていますし、関連用語が日常会話に登場することは珍しくありません。このように、野球が好きな人たちだけではなく、そうでもない人たちの間にも野球の存在が深く浸透しているのです。

◇子供の頃に触れる機会が多い

日本での根強い野球人気の理由の二つ目は、子供の頃に触れる機会が多いことです。男の子が生まれたら、一緒にキャッチボールがしたいと語る男性は日本中に大勢います。また女性の中にも、子供が生まれたら野球をさせたいと思う人は少なくないでしょう。そのような親の元に生まれてきた子供は、もし男の子ならお父さんと一緒にキャッチボールをしたり、バッティングを教わったりする機会が多くなります。もし生まれたのが女の子でも、親と一緒に試合中継をテレビで見たり、球場に連れて行ってもらって試合を観戦したりする場合があるので、野球に触れる機会がないわけではありません。そういったように子供の頃から野球が身近にあったら、自然とその楽しさに触れることになります。その子供が大人になっても、そのまま好きでい続ける場合は少なくないと思われます。

◇話題として便利だという側面がある

色々な人と会話をする際に、話題にするのに便利だという点も、野球の人気が根強い理由の一つに挙げられます。例えば同じ職場の同僚や取引の相手と会話することになった場合に、その人とは年齢や職種などが自分とは異なっているため、どんなことを話題に出せば良いかがよく分からないと感じてしまうこともあるでしょう。そういった場合に、自分は関心があるけれど一般的にはマイナーな話題を出したら、相手を引かせてしまう恐れがあります。また、例え相手が関心を持ってくれそうな内容であっても、誰かの悪口のように他の人の耳に入ったらまずいことになる話題は避けた方が無難です。その点、野球に関する話題であれば相手が全く関心を持ってくれない可能性はそう高くないですし、その内容も全くの他人に関する当たり障りがないものになるでしょう。そのため、何を話せば良いか分からない相手には、野球を話題にすると上手くその場を乗り切れる場合が多いと思われるので、その知識を得ておこうとする人が少なくありません。そうやって頻繁に話題に出したり、知識が増えたりすれば愛着が湧いてくるので、自然と好きになる人も多くなるのです。

◇マスコミで継続的に報道されている

日本ではテレビや新聞などのマスコミが、毎日のように野球について報道しているという点も、その根強い人気の理由の一つだと考えられます。プロや高校生の試合が行われているシーズンには、連日その勝敗や内容、活躍した選手などの情報がマスコミによって伝えられます。また冬場などのオフシーズンにも、有名選手の移籍や去就、年俸の金額などの情報が出て来るので、一年を通じて野球が全く報道されなくなる時期はないと言っていいでしょう。そのような報道を積極的に見ようと思わなくても、ニュース番組を見ていればスポーツコーナーで流れたり、新聞をめくっているとスポーツ欄が目に入ったりといったように、自然に野球に付いての情報に接する機会が日本では多いのです。そのようなことの積み重ねが多くの人の野球への関心を高め、その人気が長く保たれる原因になっているのは確かだと言えるでしょう。

◇競技の性質が日本人のメンタリティにマッチしている部分がある

根強い人気の理由のラストに挙げるのは、その競技の性質が日本人のメンタリティにマッチしていることです。例えば、サッカーやバスケットボールなどのチームスポーツでは、大勢の味方と敵が一度にプレーするので、純粋に一対一の対決になることは多くありません。しかし、それらと同じようにチームスポーツでありながら、野球ではバッターとピッチャーの間での一対一の対決が常に繰り広げられます。その中で歴史の残るような名勝負が生まれたり、因縁のライバル関係が出来たりすることも珍しくありません。そのようにドラマチックな部分は、日本人のメンタリティによく合っていると言えるでしょう。また、野球には犠牲バントや犠牲フライなどの、自分自身はアウトになるけれど、チームの勝利のために役立つプレーが存在します。そういった自己犠牲を良しとする考え方も、日本人の昔からのメンタリティにマッチしています。そういった部分が、サッカーを始めとする他のスポーツの人気が高くなってきている現在の日本でも、いまだに野球が人気スポーツであり続けられる大きな理由だと考えられます。