2023年1月に発見されたばかりの新鉱石・北海道石（学名：hokkaidoite ホッカイドウアイト）が話題になっています。
北海道石は紫外線の照射で美しい蛍光が発生することで知られ、おもな採取場所は、道内の鹿追町（しかおいちょう）と愛別町（あいべつちょう）の2箇所です。（※現在は保護されているため、許可なしの採取は禁止）
本記事では、新鉱物に登録された北海道石の特徴や成分、市場で販売される際の値段や価値、さらに、北海道石と同じく美しい蛍光で有名なオパールとの違いについて解説します。
それでは早速、いってみましょう。
Contents
北海道石とは
北海道石、学名：hokkaidoite（ホッカイドウアイト）は、2023年1月に北海道河東郡鹿追町（しかおいちょう）および上川郡愛別町（あいべつちょう）で発見された日本産の新鉱物です。
同月に、国際鉱物学連合にて新しい鉱物として承認・登録されました。
北海道石は、多環芳香族炭化水素の一種のベンゾ[ghi]ペリレンが結晶化した有機鉱物で、紫外線を照らすと美しい蛍光を生じる特徴があります。
2023年1月に新鉱物として発見
北海道石の発見は、相模中央化学研究所の田中陵二氏、日本地学研究会の萩原昭人氏、大阪大学総合学術博物館招聘研究員の石橋隆氏、九州大学大学院の井上裕貴氏からなる研究グループによって行われました。
彼らは日本のプレート沈み込み帯の炭素元素の循環に関する研究の過程で、2023年1月に、北海道の愛別町（あいべつちょう）で紫外線照射で強い蛍光を発する鉱物（＝北海道石）を複数発見しました。
鉱物の成分と特徴
北海道石の成分は、多環芳香族炭化水素の一つであるベンゾ[ghi]ペリレンで構成されています。
この鉱物は、特定の成分から順に結晶化する、分別結晶化現象が起きていることが示されています。
この現象は、熱水による有機質の変質と輸送が熱水性石油の生成に重要であることを示しており、北海道石の研究は石油の生成機構の解明に大きな意義を持つとされています。
引用：Wikipedia
オパールとの違い
紫外線の照射で美しい蛍光を発する鉱石といえばオパールが有名ですが、オパールと北海道石との間には明確な違いがあります。
オパール・・・オレンジ色～ベージュの層を形成し、青、黄色、オレンジなど様々なカラーの蛍光を発する
黄色～黄緑色の蛍光の層に含まれる特定の有機化合物
鹿追町では、古い温泉に沈殿した珪華中に、宝石級ではないが紫外線を照射すると蛍光を放つオパールが見つかっていましたが、今回新たに発見された北海道石とは成分や特徴がことなります。
北海道石の取れる場所
2023年現在、北海道石が採取川できる場所は、北海道の鹿追町（しかおいちょう）と同じく道内の愛別町（あいべつちょう）の2箇所のみです。
※現在産地は保護されており、許可なしに北海道石を採取することは禁止されています
北海道 河東郡 鹿追町（しかおいちょう）
鹿追町は、北海道河東郡に位置する町です。町名はアイヌ語の「クテクウシ」に由来し、「鹿を追う」という意味を持っています。
地理的には十勝平野の北西部に位置し、大雪山国立公園の区域が町の北辺に広がっています。このエリアにはウペペサンケ山やピシカチナイ山などの山々が連なり、美しい景観を形成しています。
北海道 上川郡 愛別町（あいべつちょう）
愛別町は、北海道上川地方中部の石狩国上川郡に位置し、町名はアイヌ語の「アイペッ」から名付けられています。
この町は、きのこの一大生産地として知られ、別名「きのこの里」とも呼ばれています。また、町域の8割が山林なので、林業や木工業も非常に盛んです。
北海道石の販売値段と展示情報
北海道石は、その希少性と美しい蛍光の特性から、多くの天然石コレクターや研究者の間で注目されています。
しかし、北海道石は2023年1月に発見された新しい鉱石のため、市場での販売はまだ行われていません。
価値と値段
北海道石の市場における値段は不明ですが、希少価値の高いオパール同様、北海道石も高価な値段がつくことが予想されます。
しかし、一部の天然石専門のECショップや個人フリマサイトなどでは、「北海道石」または「北海動蛍光オパール」として数万円〜数百万円もの高値で販売している業者が見受けられます。
これらは北海道のローカルテレビ局でも取り上げられ、消費者に向けてこのような石を購入しないよう呼びかけています。
（※北海道石の無許可の採取は違法行為）
展示情報
現在、北海道石の産地は保護のため一般公開はされていません。
しかし、新鉱石登録記載のため採取された北海道石の標本は、「とかち鹿追ジオパークビジターセンター」「環境省・上士幌町ひがし大雪自然館」「北海道博物館」で展示されています。
（※展示期間は不明のため、終了しているケースもあり）
これらの施設を訪れることで、実物の北海道石の美しさを見ることができます。
北海道石はどこで取れる？販売値段は？鉱物の成分やオパールとの違いまとめ
今回は、北海道石はどこで取れる？販売値段は？鉱物の成分やオパールとの違いを解説、というテーマでお届けしました。
北海道石の取れる場所・・・北海道の鹿追町（しかおいちょう）と愛別町（あいべつちょう）
鉱物の成分・・・多環芳香族炭化水素の一種のベンゾ[ghi]ペリレン
販売値段・・・正式には未販売のため値段は不明だが、希少価値が高いので高価と予想（個人ECショップ等では数万円〜数百万円で販売のケース有り）
オパールとの違い・・・オパールは多色の蛍光が見られるが、北海道石は黄色～黄緑色の蛍光の層に含まれる特定の有機化合物
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