
NPB(日本プロ野球)とMLB(メジャーリーグ・ボール)では、1試合当たりの投手の球数が異なることをご存じでしょうか?
NPBに比べて、MLBは圧倒的に投手の1試合当たりの球数が少ないのです。
そもそものルールが異なる点はありますが、ここままではWBCで不利に働いてしまう可能性もあります。
この記事では、そんな日本とMLBの球数問題をピックアップしていきます。
NPBとMLBの球数問題

今季のNPBも、既に約2/3が消化されました。
そんなNPBのこれまでの投手の完投率を見てみると「約0.036%」と、「0.001~0.002%」程度で推移しているMLBと比較すると、かなり高い水準であることがわかります。
また、NPBの完投率も年々下がっているように見えますが、ことエース級に注目してみると、球数がほとんど減っていないことも伺えます。
たとえば、今季9月28日時点でNPBでは先発投手が130球以上投げた試合が既に15回も存在しているのです。
通常MLBでは、130球以上投げるケースはほとんどありません。勿論、それがエース級の投手でもです。
ちなみに、今シーズンレギュラーシーズンで大活躍した前田投手を例にしても、平均球数は89.6球に抑えられています。
NPBの投球間隔はMLB挑戦に不利に働く?
通常、MLBは100球以内での6回到達が目標とされています。
それと比較し、NPBではどうでしょうか?
現在、所属チームに将来のMLB挑戦の意向を伝えているとされる、菅野智之投手と有原航平投手の今季の先発データを例に見てみましょう。
・菅野投手:平均イニング数7.1回:平均球数112.9球
・有原投手:平均イニング数6.2回:平均球数104.2球
上記データは、9月27日までの今季データです。
両投手とも100球を超えており、こと菅野投手に限っては7イニング、110球以上となっています。
これは、MLBが通常中4日もしくは中5日で投げるのに対し、NPBでは基本的に中6日で投げている環境の違いも影響しています。
MLBに挑戦する日本人がこの環境の違いにすぐに慣れることができるかは未知数であり、また不利に働かない確証はどこにもありません。
WBCの優勝を見据えるために

ご存じの通り、WBCではファーストラウンドでは65球まで、セカンドラウンドでは80球まで、決勝ラウンドは95球までという球数制限があります。
また、50球以上の投球である場合は中4日以上、30球以上である場合は中1日以上登板間隔をあけなくてはいけません。
このルールを鑑みると、現在のNPBの投手平均球数は指揮官の采配を困らせるものになる可能性が高いものとなっており、投手も調整法等で失敗してしまうリスクもあります。
勿論、なんでもMLBに寄せることが正解というわけではないかと思われますが、MLBと選手会が牛耳っているWBCで優勝を目指すのであれば、それに合わせた対策が必要なのかもしれません。